アメリカ歯科事情ほか

ヲ  アメリカ ロマリンダ大学細菌学教授 中島孝一
  アメリカ歯科事情

国立の3大学の医学部で共同プロ ジエクトチームをつくり、
咀嚼や顎位の位の変化が心臓や脳神経、ホルモンにどのように影響するかを
研究し、すでに、かなりのデータを集めている。

ヲ ある新聞記事から

日本の学界を網羅する代表的機関の「日本学術会議」でも「咬合問題の異常が
体の健康に及ぼす影響は予想以上に広く大きい」とみてテーマに取り上げている。
各大学での研究は盛んになってきており、そのべールは次第にはがされつつある。        
 日本大学歯学部の大木一三教授(日大歯科病院長)のグループは健康人を一時
的に歯のかみ合わせを狂わせると重心が移動したり、平衡感覚や聴覚に影響する
ことを実験で明らかにし、発表している。またあごがずれる「顎関節症」の患者は、
健康な人よりも体の重心の揺れが大きいことも証明、肩凝り、めまい、耳鳴りなどが
起きることを示唆している。
大木教授は、かみ合わせが狂う原因の一つに「歯の治療」を挙げる。
歯のかみ合わせを十分考慮しないで、ブリッジ、歯の詰め物、かぶせ物を入れたり、
入れ歯が合わなかったりすると、かみ合わせの高さが変化し、狂いが生じること
がありえる。としている。 国際歯科連盟(FDI)は1990年に歯科治療について
「極力、歯を削らない治療をしなければならない」との宣言を出した。
 体は医学部・一般医。歯は歯科大・歯科医。医師、研究者、患者が当然のように
思つていたこの”すみ分け”が、「歯のかみ合わせと全身へのかかわり」を死角に
追い込んでいたといえる。
一般医も歯を、歯科医も体を、視野に人れた診察、治療が求められている。

ヲ 文部省特定研究「咀嚼システムの基礎研究」窪田金次郎 医科歯科大名誉教授ら 

毎日何気なくやってのけている「物をモグモグかんで食べる」という行為も実は
複雑な神経系の働きのおかげ。唇や舌などの情報は、各神経系を適切なリズムで
モグモグが続けられるように咬筋などの筋肉を調節する。歯の根元は、歯根膜神経が
取り巻いており、この神経が歯ごたえなどの情報を脳に伝える。堅いスプーンなどを
カチット噛むと思わず口が開くと言った動きも、この神経の働きだ。 ネズミを使って、
この神経の束を切断する実験をした結果、情報が断たれた神経細胞は次第に死に、
ついには脳幹まで神経の死滅が伝わっていくことが判った。その変化を追跡したところ、
頭を適当な位置に保つ後頭筋群の神経の終末部にまで及んでいた。 歯や唇からのからの
神経を切つたネ ズミは、食べ方が下手になる。 人間でも、ムチ打ち症になると上手に
ものが食べられ無くなる が、その大きな理由は噛む時の頭の位置がきちんと保て
なく成るからだと言うことが、これではっきりした。 歯を抜いたり、神経を取ったり
しなくてすむように歯を大切に、自分の歯は自分で守りましょう。



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