・・・・・・・自然歯科診療所・・・・・・・

体のバランスを調整する「自然歯科」
        急激な変化避け無理なく健康を回復
 
バラノスが取れないときに歯科的に最小限の自然なお手伝い
 
「自然歯科」聞き馴れない言葉だが、どう言う診療を行っているのだろうか。
院長の松村文英さんは語る。
「歯科診療はどんなにがんばったところで、自然の歯に比べてしょせん偽物に過ぎないし、
どんなに正しい理論で良くしようとしても、体に大きな変化を与える事に成ります。
そんな訳で、最近の私の臨床は『最小限に、1度にやらない』をモットーにしています。
自然歯科と言う名前の様に自然、調和、単純が基本です。自然の法則は単純だと思います。
食べかすだらけでも虫歯のない子供もいるし、
どんなに噛み合わせが悪くても何の症状も訴えない人もいます。
人間どこかでバランスを取り、日常生活をそれとなくやっていければそれでいい。
それでもどうしてもバランスが取れないときに、
歯科的に必要最小限の自然のお手伝いをするのが良いと思っています」
 
松村さんは、大学の歯学部を出てから、いわゆる『普通の歯科』で過ごした。
毎日、夜8時頃まで50人ほどの患者さんの歯を削ったり、被せたり、抜いたりしていた。
そんなときに都内で開かれた歯科講習会で、歯科技工士の市波治人さんの歯科理論を聞いて考えさせられた。
今までの医師とは異なった方向から見ていたのだ。
初めは信じられなかったが、
『従来の歯科は部分だけを診てきたが歯科も身体全体を診なければいけない』と解ってきた。
たとえば、歯をいじることで頭痛、耳なり、難聴、手のしびれ、肩凝り、腰痛、足の痛みや、
目、鼻、皮膚、内臓、循環器などに様々な疾患が起こる。
100ミクロン単位のわずかな歯の「あたり」の違いでも心臓に障害が出る事がある。
ちょっと詰めただけでも1か月、半年、10年と経つうちに顎や体を狂わせることがあるが、
時間的ズレから患者さんも医師も気付かない。

早すぎる変化を与える事がさまざまな症状の原因に

今までの歯科医療はちょっとした虫歯でも大きく削っていたが、
世界の最先端ではできるだけ削らないように変わってきている。
アメリカのトーマスという著名な歯科医は、噛み合わせの診断をして
問題がないと思われる約15%の患者に限ってのみ手を付け、
それも3本の歯でも1度に治療せず、1本ずつ慎重に時間をかけて診療していたという。
「歯科医療は自然の変化のスビードに比べて早すぎる変化をもたらしますので、
体がそれについていけず肩凝り、腰痛そのほか、さまざまな問題を起こす事があります。
でもそう言う目で診ていないと、関連性は判かりません。大学でも教えてくれませんでした。
私自身も以前は、『歯を削って体に影響が出る、そんな馬鹿な』と思っていました。
でも、自分の車のタイヤに金属を被せる人がいるでしょうか。
全部のタイヤがすり滅っているのに、1本だけ新品にしたらどうなりますか。
歯は前後左右に動きながら、ガラス板をすり合わせるように何年もかけて
自然にバランスを取っていますので、そのパランスを壊さない様に
徹底的に合わせる事が必要です」と松村さん。
 
ストレスの除去を含め、結果よりも原因重視の治療
 
自然歯科診療所では自然の体の変化に沿って、
できるだけゆっくり、歯と体を馴染ませながら最小限の治療を行う。
3か月に1度位のペースで歯のバランスの不調和を取って、
噛み合わせを調整し2次象牙質が出来るのを待って、また少し削ったりする。
麻酔も使わないし、歯科技工士にもあまり縁がない。
結果の治療よりも原因の除去に力を入れる。
それも虫歯などの原因と言われている従来の甘い物説ばかりではなく、
ストレスや噛み合わせの不調和からくる原因を重視している。
「人間は1日24時間のうち上下の歯が接触するのは15分位です。
ストレスがあつて歯を食い縛っているほうが、はるかに影響が大きく、虫歯や歯周病などの原因になります。
受験で歯や顎が痛くなる人、仕事のこと家族の事など色々な心配や悩みで歯をやられる人がいます。
特に子どもに対しては、お母さんがああしろ、こうしろと、あまりうるさく言うと虫歯の原因に成ります。
ストレス状態の場合、歯の外から中へ体液が流れますが、
りラックスしていると逆に中から外へ流れるので、糖分を取っても外へ押し出してしまうという学説があるんですね。
自然にのびのびと、生命力を抑えずに過ごさせ、子どもの本当の気持ちに耳を傾けてあげましょう。
歯の病気にならない為には、正しい自然な食生活を守り、
歯を偽物にする様な歯科治療を最小限に押さえて、
ストレスを貯めないよう気楽に楽しく自然と調和して生きる事が大切なんです」
『自然歯科』は歯医者任せの歯科医療から、患者主体の医療への転換でもある。
松村さんは、
「病気から学び、より良い生き方を見つける、歯科医と患者さんの二人三脚の医療」を提唱して歩んでいる。
模索状態を超えて達した掛け替えのない歯と体を守る為の歯科医療である。