歯科医にかかればかかる程、歯が駄目になる     
(山下先生のメッセージから)

 あなたはムシ歯を削って詰めて(充填)貰いました。
ムシ歯の予防法は何も教えてもらえず治療は終わりました。
歯科医は、「もし何か問題が起これば来て下さい」と言いました。
「病気の原因に対応せずに病気の結果であるムシ歯の穴を詰めたり、
 被せたりすること(修繕)が歯科医の仕事」と思っている歯科医であれば、歯科医は収入に繋がりますが、
あなたはムシ歯が再発するだけで何の利益も得られません。

再治療のたびに修繕する箇所は大きくなり、
再治療はやがて歯の神経を取らなくてはならなくなり、
先述のように、その歯は根尖病巣、歯根破折、抜歯という運命を辿ります。
同じ歯を5回治療すれば歯の傷は大きくなり
その歯は抜かなくてはならなくなると言われます
あなたは歯科医院にかかり続け、保険ではできない
高価な金の詰めものや自然の歯と変わらない
瀬戸物の歯をしてもらったにもかかわらず、
治療した歯が次々と駄目になり抜歯する歯が増えていきます。

あなたは歯の治療で、歯の神経をとられたことがありませんか?
歯の神経を取ってしまえば痛くなく治療は終わります。
しかし、神経をとった歯は十分な予防処置をしないと
時間が経つにつれていろいろなトラブルが起ります。
例えば、治療した「詰め物」や被せた「金冠」に再びムシ歯が起っても、
神経が無いので痛みのサインはなく、二度目のムシ歯がどんどん広がっていきます。
また、神経がない歯の根の先には高い率で「おでき(根尖病巣)」ができます。
さらに、歯の弾性が次第になくなって脆くなり、
普通に噛む力で歯の根が割れて抜かねばならなくなったりします。
 このように歯の神経を取ると、あなたは何の利益も受けないばかりか、
次々とトラブルが起き再治療に無駄な時間とお金を費やし、
やがて自分の歯のように噛めない「取り外しの入れ歯」になり
生活の質(Quality of Life)はさがってしまいます。

日本の医療保険制度は、
歯の神経を残せる場合でも神経を取った方が取らない治療の
10倍近い保険点数(収入)があるのです。

  日本の保険医療制度は「歯を削ってなんぼ(幾ら)」すなわち、
病気に対する医療行為でないとお金が支払われない疾病保険なのです。
ムシ歯や歯周病の予防行為には少ないお金しか支払われないのです。
「歯を残してなんぼ(幾ら)」という予防保険制度ではないのです。
つい最近までムシ歯を早く見つけて早く治療(早期発見、早期治療)すると言う考えを歯科医自身が持っていました。
予防が大切だと分かっていても、現行の保険医療制度では予防に対して十分な報酬が支払われないために、
患者のためにならないと分かっていても
収入に繋がる「詰めたり被せたりの治療(修繕)」をしてしまうのです。
この公的保険制度では、医療機関同士が競争する必要がなく、
時代に合った対応、改革を医療機関に促すインテンシブに欠け、
医療供給側の機能分化が遅れます。
その結果として過剰診療が日常化し「質」より「量」の
二流医療になってしまっているのです。

日本では公的医療保険のために低い自己負担で問題が生じた時だけ
歯科医にかかりますが、
歯は詰めたり削って被せたりする人的介入が多ければ多い程
歯を失うことに繋がります。
その時は健康保険で安く治療出来たと思っても
結果的には歯を失うことになり、生活の質は低くなり、
肉体的、精神的、経済的にトータルとして高いものについてしまうのです