市波治人(本名 森治八) 略歴 1934年9月24日生 l956年歯科技工士免許取得〈特例技工士) l969年7月 森歯科技工所開設 元・福井県歯科技工士会副会長 主たる研究テーマ 42年前、歯と顎の微妙な変化が全身各部と連動していることを体験して以来、 「歯(顎)とからだ」について関心を抱き、アプローチをつづけてきた。 一昨年の7月4Bまでに、50回ほどの心臓発作を体験した。 歯や顎の一寸した異常な関係がいかに心臓に関わっているかを味わった。 ここ2年ほどは一度も体験していない。この辺で私の役目も良いだろうと思っている。 著書:「歯とからだ」径書房、「顎偏位症」径書房 症例l:正確なる(ここが大事)上下の全顎模型に基づき、それをよみ込むことによって、 その患者さん(29場女性、一児の母)にあると推定される症状を列記し、 それを歯科医師か患者さんにたずねチェックする。 推定できなかった症状があったときは補記する。 この患者さんの場合、主な症状はl0年余の左片(偏)頭痛・首・背・腰・足の、 ある部位にある痛みとしびれ等が、模型の読み込みとほとんど一致した。 よって、模型診断で判った部位をl、2、3、4、と順次、茶色のシリコンポイント にて1回調整された。それによって、偏頭痛は著しい軽快をみた由、その他も、 かなり良くなられた、とのお話が歯科医師よりあった。 症例2:45歳くらいの女性(夫あり、子供2人あり)の患者さんで、 上顎6前歯を含む9歯のメタルポンドBと、下顎両側の臼歯部プリッジ (メタルボンド)をセットして、しばらくで心臓発作を起こし、救急車にて 心臓系病院へ入院。ホルター検査までしたが異状なしとのこと。退院したが、 心臓の不調を身体で感じるので、別の歯科医院で上顎のメタルポンドBを やり直してもらった由。が、やはり心臓部位の不快を感じるので、 前回とは別の心臓系病院で診てもらづた。その時は、カテーテル検査までしたが、 異状は認められずとのこと。だが、本人は身体で心臓の不調を実感するので、 上顎のメタルボンドBをやり直してもらった歯科医院で、下顎の両側にレジンの 薄いスプリントを両側別々にいれてもらった。私が最初に見せていただいた 模型はこれであった。したがって、レジンスプリントをはずして印象採得した 模型をお願いした。そうでないと模型をよみ込むことが不可能である。 そうこうしている内に(l994・1l月初め)、ある朝、この患者さんが心臓発作を 起こし、車で歯科医完に救助を求めて訪れた。発作中であった。担当歯科医は、 心臓系病院へいくよう促したが、患者は「先生助けて下さい!」といって 聞き入れない。止むなく割り箸を使用して応急処置につとめた。手当ての結果、 l時間ほどで発作は治り、血圧も普通に戻り、患者さんは眠りに入った。 目寛められたところで、口腔内を珍られたところ、上顎のメタルポンドBの 上顎左側犬歯と第一小臼歯のロー着部位か破折していた、とのこと。 1日かけて、一応の処置を終えられ、その夜は診療室のとなりで泊られた由。 その後、初診時の槙型をよみ込んだところに基づいて処置をすすめられた。 心臓発作は今日(l995、3月末)にいたるも起きていない。 今年の2月中旬で一応の処置が終わり、現在(3月末)咬合調整中とのこと。 顎位について:人間は無歯顎で産まれ、20年余を経て、ようやく顎位が成立する 生き物である。このように、自然が20年余をかけて、昼夜をわかたず営々として 成り立つものである。人間の知識とか技術で、そう簡単に再現できるとは思われない。 よって、個々人が有する顎位を、極力保持するべく努める。止むなく自然から いただいた顎位が失くなった患者さんには、上下の正確な模型によって、可能な限りの 情報をよみとり、その患者さんの元の顎位に近づけるべく、患者さんと共に努力すべく 患者さんの理解を求める。しかし、必らずうまくいくとはかぎらない。 これが人間の限界だと考える。顎位の再現は、かようにむつかしいと思う。 故に、出来るかぎり、顎位を狂わせないよう努めなければならないと、 自覚しているつもりです。 模型のよみこみについて l.地学・考古学に立脚する人類学(自然人類学・宗教人類学・文化人類学・ 形質人類学〉を基本にする。 l.人類学をふまえたうえで、医学・歯学(おもに発生学・解剖学・生理学・ 患者心理学)を基に、模型上での診査・診断を行なう。 l.もちろん歴史(時代的背景)を考慮に入れる。 l.よって、上記以外にも、いろんな事が役に立つ。 お願い:学会に参加される各位にお願い致します。なに分にも時間が短いので 意をつくすことが出来ません。したかって、拙著「歯とからだ」「顎偏位症」 (いづれも東京・径書房発行)をご一読下さり、出席いただけれは多少は 理解していただけるものと存します。 御忠告:上記の症例や、「顎偏位症」を読まれて、「そんなバカな一」と 思われるのは構いませんが、これを認めないと(よく解らないと)家族や身内を 病人に追い込むことがあります。こういう事を理解しなかった為に、わが子・自分・ 家族・身内を、歯をいじったために、身体か悪くなっていかれた例には、 こと欠かない現状てす。念のため・・・。 ☆歯とからだ 径(こみち)書房 TEL 03-3350-5571 FAX 3350-5572 ☆顎偏位症 同上