『顎偏位症』にならないために

市波治人先生からのメッセージ(NO4)


過日、1996.6.25日、東京、双葉社から『「歯科医療ミス」の恐るべき実体』
と言う本が発行されました。是非お読み下さいませ。
一読下さったとして御注意申し上げます。
このページの読者でしたら、一寸思い出して欲しい箇所があります。
それは、“顎偏位症”という本の序文を、もう一度読み返してみて下さい。
「私達の身体は一体のものであり、歯科すなわち口腔の分野のみが他の部分と
分離独立しているわけではない。形態的にも機能的にも一体のものである。
しかし、歯科医師も他の医師も、国民、患者も、別のもののようなとらえ方
をしている。長い間この状態が続いてきた。そして歯科医学、歯科医療と一般医学、
一般医療との間に大きい大きい溝、いや壁と言つた方が適切かもしれない、
が出来てしまった。 この壁の為に、今この現在、大きな疾患がほとんど未解決、
いや手つかずのままで放置され続けている。」
[阪大歯学部教授丸山剛郎氏は述べておられる。]
また、他の所では「歯科はこの事をやって来なかった。知らなかった」とも
述べておられる。
この、丸山教授の序文や、もう御一人の序文、東京医科大学・藤波襄二教授のごとく、
御自分が体験してみて初めて判った。のに基づいて書かれた文章をお読み頂ければ
お判りのごとく、ほとんどの開業医も大学で習わなかったのです。
だから判らないのは当然とは申しませんが『「歯科医療ミス」の恐るべき実体』で
油井さんも書いておられましたが、その治療法が教育機関で確立していないのです。
この点をはっきり認識しておいて下さいませ。
10年以上前から、私は叫び続けていたのです。
「歯とからだ」を出してよりやがて13年になります。
書きにかかったのがその一年前です。これを考えますと、油井さんの
“「歯科医療ミス」の恐るべき実体”に書かれている被害を受けた方たちは、
私の「歯とかだ」が出たあとから治療を受けられ悪くなっておられます。
もし運が良かったら、「歯とからだ」を読んでさえおれば、被害に合わなかった
かも知れませんね。それでも、前回に紹介しました患者さんのごとく、
朝日新聞に載った私の記事を切り抜いておられながら、それから矯正を始められて、
ひどく苦しい状態に追い込まれています。
このような事にどうして成るのでしょう。最大の要因は私が無名であって、
しかも歯科技工士である・・・と言うことだと思われます。
一方に肩書きに弱いのが日本人だと思います。一般世相をよく見て下さい。
肩書きが立派な人ほど、とんでもない悪いことをしております。
反面良いこともしております。だから、肩書きが立派=良い人・
肩書きが立派でない人=悪い人・・・と決めないことが良いのです。
近年、政治家やら、何とか社長・何とか専務、何とか教授、何とか学長・・・と、
悪玉の親分でこそあれ、とても私などには全く、一生見ることもできないような
お金で、とんでもないことをしでかしております。ただもう、末法の時代
暗黒世相でして、いつどこでテロが起きても不思議でない今日この頃です。
ところが、所変われば人違うでして、11年前でしたか、ドイツのハンブルク大学の
医・歯・学部長が、あるキッカケで私のことを知ることとなり、
(私の症例ビデオ、弟の嫁さんを治療した例)このビデオを言葉は判らなくとも
見ることがあり、それがキッカケで、この教授・パイファー教授から、お手紙を頂き、
それに「日本の歯学部教授と同等の処遇をするから、この大学で勉強したいことが
あったら、いつでも来られたし・・・云々」こんな内容が書かれていましたので、
ありがたく思って、二週間、ハンブルク大学、医科・歯科部にて勉強させて
もらいました。それはもう、日本の大学では考えられないような自由さで、
どこの科へお願いしょうとも、喜んで勉強させてもらいました。
しかも、日本の方の通訳でしたが、私に向かって「貴方は、どのようにして、
つまりどういうことをやって、そういうことが判ったのですか」と、しきりに
何回も聞かれるのです。いや貴方ではなくて「ミスター、ドクターは、
よくこういう事が解りましたね。私には専門が違いますからよく解りません。
しかし、すばらしいことです」と敬意を込めた表情で申されるのです。
このパイファー教授は、ドクタードクターです。つまり、まず医師になってから、
また特別に歯科の勉強(歯学部に入って)されて、歯科医でもあるわけです。
これが本来の姿なのです。私のうぬぼれめいた事を長々と書いてきましたが、
実は、ヨーロッパの学校制度のあり方を理解して欲しかったのです。
つまり医学を修めて、(人間の体のことを医学的にマスターした方が)特別に
学んでなるのが歯科医なのです。だから、歯科医は全部ダブルドクターなんです。
これが特別でも何でもなく、医者であって、なおかつ歯科医でもある。だから、
社会的には、医者よりも歯科医の方が尊敬されるのです。これが当然であって、
日本の学校制度がなっていないのです。だから、おかしな歯医者が出来上がって
くるのです。
この責任は、厚生省にあるのか医学界にあるのか、(つまり制度的には、
歯学部ーー歯科専門学校は後から法制化されております。)よって、
歯学部に責任があるのか、その辺の所は、キッチリ調べておりません故
ハッキリと申せません。)何れにせよ問題になったことは事実だと考えます。
だって、問題になったからこそ、東京医科・歯科大学という国立大学があるのです。
現在では退官しておられる方が多いですが、医師になってから歯科医になられた
教授が何人かおられます。本当は、このようにすべきだったのです。
それが50年前の敗戦で、おかしな学校制度になってしまったのです。
(この辺を、どなたか調べて本を書いて欲しいですね。)そして、現在の歯科医は、
教育機関の被害者だということをハッキリさせて、厚生省の木っ葉役人の面の皮を
ひんむいてやるべきです。
だから、現在の歯科医師自身が多く顎偏位症になっておっても、、気付かずに
苦しんでおります。
このように根は深いのです。とはいっても、今まで放ったらかしにしてきた
歯科界にも大きな責任があります。今までに、数多くの歯科医が、ハンブルク大学の、
キイーファークリニックには国費で留学しているのです。
何を勉強してきたのでしょうか。税金の無駄使いではありませんか。
長々と横道へそれましたが、このようなことをハッキリと判って、よく理解されて、
現在の歯科医に顎偏位症を治してもらおうーーーと思って、あちこち回り歩かない方が
良いのでは、と申し上げたいのです。
(患者さんには、特に被害に合われた患者さんには、申し訳なくて言葉もない
ほどですがーー)油井さんの『「歯科医療ミス」の恐るべき実体』に載っておる
相談先へ行かれましても、そんなに旨く行くとは思えないからです。
(全部とは申しません。しかし、ここに載っているところへ相談に行かれて、
また変なめにあった方が、私の所へ泣き声でTELしてこられます。私も辛いです。
お気の毒でなりません。
けれど、何とど、油井香代子さんの『「歯科医療ミス」の恐るべき実体』
を御一読なさるようおすすめいたします。
自分の体が悪くなる前に、このような本を読まれて、ともかく悪くならないように
気を配るのが先です。
みなさん、このページをお読み下さったからには、決して、歯科医によるところの
“顎偏位症”にだけはならないようにして下さい。
また、知人友人にも教えてあげて下さいませ。
あまりに長くなりました。ごめんなさいね。それではまたーーー。
ありがとうございました。お体を大切になさって下さいませ。
                      合掌
                       1996.8.31.PM 6:00
                          市波治人 謹識

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